知識武装:気密性能について

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知識武装は大切

家づくりを進めていくと知らない用語がたくさん出てきます。

展示場などで営業さんが説明してくれますが、A社、B社で説明が異なったり、何が良くて、何が悪いのかわからなくなってしまいます。

そこで重要なのが、知識で武装しておくことです。

最低限知っておいた方が良い知識をお伝えして行きます。

僕は素人なので詳しい説明や完璧な説明はできないかもしれませんが、逆にこれから家のことを考える人にはちょうど良い説明になるのではないでしょうか。

知識武装するとこんなことが防げます。

  • 難しいことを説明されて「なんだか凄そう」とハウスメーカーを決めてしまう
  • 「モデルハウスの雰囲気が素敵・かわいい」とハウスメーカーを決めてしまう
  • 「営業さんがとても良い雰囲気だ」とハウスメーカーに決めよう
  • 「どこよりも安い」とハウスメーカーを決めてしまう
  • 「◯◯ハウスは有名だから任せられる」とハウスメーカーを決めてしまう
  • 「北海道基準の性能です」と説明され「北海道の寒さに耐える家なら大丈夫」とハウスメーカーを決めてしまう

住宅展示場の見学などで得られた情報と知識を比較・分析して、正しい判断を行い「あるべき家づくり」を目指しましょう。

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目次

気密性能の概要

気密性能とは家の中の空気が外に漏れにくいことを意味します。

空気が漏れない?まるで宇宙船??と思うかもしれませんね。

ソユーズ(Союз)

宇宙船は空気のない宇宙で乗組員を守るために、空気が漏れない様に作っていますが、空気のある地球で建てる家にそんな性能必要ないでしょ?と思う方も多いと思います。現に僕もそこまで必要な性能とは考えていませんでした。

ところが、お家にとって気密性能は超重要だったのです。

気密性能が低いお家は、隙間が多いと言う状態になるのですが、それによってイメージとしては、びしょ濡れのダウンジャケットを着ている様なことが発生します!

びしょ濡れのダウンジャケットを着たら冷たいし、気持ちが悪いですよね?しかも、そのままにしていたら臭くなったり、更に放置したらカビが生えてしまいますね。

濡れてしまったダウンジャケット

でも、、、お家がびしょ濡れのダウンジャケット??

イメージできないと思いますので僕なりに説明して行きます。

気密性能は数値で示せる

気密性能は数値で示すことができます。

気密性能の数値のことを「相当隙間面積:C値[㎠/㎡]」と言います。

読み方は「しーち」です。

床面積1㎡あたりの隙間面積を示す値で、数字が小さいほど気密性能が高いと言うことになります。

C値は前回の断熱性能と異なって、実測によって計測されます。

ここでも我が家を例にしてみると、C値は0.13㎠/㎡です。

隙間に換算すると、C値:0.13㎠/㎡、床面積:106㎡(32坪)なので、建物全体の隙間を集めると13.8㎠となります。

3.2㎝×3.2㎝の正方形相当です。

大きい?小さい?答えは「かなり小さい」です。

家全体の隙間を集めても3.2㎝角ですからね、小さいと思います。

サッシやドアの隙間も含まれますので、「塵も積もれば山となる」で、かなり高い技術と丁寧な作業が求められます。

気密性能には職人さんによる穴埋め作業が重要

因みに計測の際には、換気扇などの穴は塞ぐので、それ以外の隙間を計測しています。

気密性能の必要性

気密性能が家全体の隙間の大きさを示していることは伝わりましたでしょうか?

では、なぜ気密性能が求められるのでしょうか?

以下がポイントです。

  1. 省エネ性能の向上
  2. 内部結露を防ぐ
  3. 計画通り換気を行う
  4. 温度ムラを少なくする

一つ一つ説明してみたいと思います。

省エネ性能の向上

冷暖房を行う際に隙間が多い家ではせっかく暖めた・冷やした空気が外に逃げてしまいます。

勿論計画的な換気は必要ですが、必要以上に暖めた・冷やした空気を捨ててしまうのはもったいないですね。

捨てている実感はないかもしれませんが、気密性能の低い家では冷暖房のムダが起きているのです。

この様なことから、エネルギーロスを防ぐためには気密性能は必要になってきます。

内部結露を防ぐ

気密性能の必要性として僕的には一番重要なことだと思います。

気密性能の低い家では、内部結露と言って壁の中や天井裏などで結露が発生してしまいます。

この結露によって壁の中にカビが生えたり、柱が腐ったりします。

北側の壁が黒ずんでいたり、廊下がギシギシしたりしているのはこれが原因かもしれません。

内部結露のメカニズムはシンプルです。

皆さんも夏場になるとよく見るコップの結露や冬場の窓の結露と同じ原理です。
暖かく湿った空気が冷たい物に触れると、空気が急激に冷やされ、「飽和水蒸気量」が限界を超えて水分が水に変わってしまう現象ですが、皆さん見慣れているので感覚的に分かるかと思います。

(参考)飽和水蒸気量とは – Wikipedia

これと同じことがお家の壁や床や天井の中でも発生してしまうのです。

窓の結露と違って壁の中は拭けないですよね。どうすることもできないので、常に湿った状態になってカビたり、腐ってしまいます。

でも、なんで壁の中で起きるの?窓ガラスは冬冷たいから理解できるけど、壁は冷たくないよ?

と思う方が多いのではないでしょうか?

ここで、隙間の話に繋がります。

壁にも隙間があります、目に見えてわかるものだとスイッチとかコンセントですね。
(換気扇をつけてスイッチやコンセントに手をかざすと隙間風が入ってきてませんか?)

それ以外にも壁と壁のつなぎ目や柱と壁の隙間です。

そこから、お部屋の暖かく湿った(加湿された)空気が壁の中や天井裏に入って行きます。

入った空気は外に向かって進んで行きます。そうすると先程のコップと同じ様に冷やされて結露してしまいます。

壁内結露のメカニズム
壁の断面図(冬の場合)

この例は冬の例ですが、夏は逆のことが起きます。これを「夏型結露」と言います。

最近の日本の夏は温暖化の影響で空気中の水分量がとても多いので、夏も注意が必要になります。

この様な壁内結露を防ぐために、室内の空気を壁内に入れない=気密が超重要になります。

計画通り換気を行う

気密性が低いと計画通りの換気が行えません。

計画通りの換気とはどの様なことなのでしょう?

最低限の換気に関しては、建築基準法で定められています。

住宅等の居室については「0.5回/h以上」となっています。

2時間で1回空気を入れ替えることになりますね。
※住われる人数によってはこれでは足りないので、しっかりとした設計が必要になります。

建築士さんがこれを順守する様に換気扇を設定されていると思います。

また、換気扇だけではスムーズな換気が行えないため、吸気口も設定します。

換気扇、吸気口の位置についても部屋の空気がなるべく入れ替わるよに、対角に設定するのが一般的だと思います。

その際に、気密性が低い(隙間が多い)とどうなってしまうのか?

「ショートサーキット」と言う現象が発生して、吸気口から空気がほとんど入ってこなくなってしまいます。

これによって、家の中の匂い・湿気・菌・化学物質などが計画的に排出できないことになります。

ホットプレートで焼肉を焼いた翌日に匂いが残っているのは、計画的に換気が行えていない可能性が高いです。

身近なものでイメージするとストローです。

穴だらけのストローだと空気が入って来てしまって飲み物が飲めませんよね。

換気にも種類がありますが、換気として有効になる目安がC値:1.0㎠/㎡以下のようです。

断熱ムラを少なくする

冬暖房をつけているのに足元が寒いと言う経験ありますよね。大半の方が経験されていると思います。

これは気密性能が大きく影響しています。

ここでイメージしていただきたいのは熱気球です。

熱気球

熱気球が浮く原理は小学校の理科で学んだと思います。
(1).中の空気をあたためると空気は膨張する。
(2).膨張した分の空気は入口からあふれ外へ出る。
(3).あふれ出た空気の分だけ軽くなる。
その力を集めると人間を裕に浮かせる程の力になるわけですね。

この現象に近いことがお家の中でも起きるわけです。

エアコンで温められた空気は軽いので上昇します。

ここからが気密性能の影響が出てしまう分岐点です。

気密性能:高い

熱気球同様にあふれるため、お部屋全体が暖かくなります。

気密性能:低い

温められた暖かい空気が隙間から逃げ出します。

熱気球で例えると穴が空いた状態ですね。

気圧を保とうとするため、逃げた空気の分だけ冷たい空気が入ってきます。

エアコンが頑張れば頑張るほど、暖かい空気の勢いも増し足元の寒さが強まります。

エアコンをつけているのに寒い
気密の低い家
エアコンをつけているのにお家が寒くなるメカニズム

エアコンが頑張る分だけ足元のスースーは強まり電気代もかかる。

これが日本の住宅で多く発生していることになります。

だから、「エアコンの暖房は効かない」と言われているわけです…

温度ムラの無いお家に気密性能が必要不可欠なことが分かっていただけたでしょうか?

気密性能の目標値

そんな気密性能ですが、何を目標にしたらいいのでしょうか?

僕が家づくりを進める際に目標にした値は、C値:0.5㎠/㎡でした。

気密性能と給気量の関係
気密性能と隙間からの給気量の関係

C値と給気口からの給気量の割合
・1.0㎠/㎡:50%
・0.5㎠/㎡:66%⇦目標値
・0.13㎠/㎡:90%⇦我が家の結果
・0.0㎠/㎡:100%

目標を決めたら住宅展示場などでは下記を確認しましょう。

  • C値の目標値はいくつですか?
  • または、C値の平均値はいくつですか?
  • 気密計測は全棟実施していますか?

自信のあるハウスメーカー、工務店であれば即答してくれると思います。
(僕の経験では即答してくれる割合は1/5ぐらいでしたが…)

各社の気密性能の参考値

各社どのくらいの気密性能なのか気になりますよね。

僕が家づくりを始めた頃に参考にさせていただいた方が何名かいらっしゃいます。

その中のお一人が松尾和也さんです。

松尾設計室様のブログに「主要各社性能比較表」がございますので参考にすると良いと思います。

主要各社性能比較表

https://matsuosekkei.com/comparison/

まとめ

気密性能について伝わったでしょうか?

ポイントをまとめます。

・快適且つ長持ちするお家にするためには気密性能が必須
・気密性能は数値(C値)で示せる
・C値は実測値である
・C値:数字が小さいほど気密性能が高い
・気密性能はハウスメーカー、工務店のスキルと丁寧な仕事が必要

住宅展示場などを見学する際は気密性能(C値)を確認する様にしましょう。

知識武装してあるべき家づくりを目指しましょう。

以上、気密性能についてでした。

知識武装:気密性能

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この記事を書いた人

星野宅郎のアバター 星野宅郎 お家の情報発信ブロガー

<プロフィール>
✔︎30代でお家を建てる
✔︎お家の情報にどハマり!
✔︎情報をまとめてブログで発信

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