我が家で契約している電力会社は「Looopでんき」です。
この度、新電力プランが発表されました。
その名は、「スマートタイムONE」です。
現行プラン(一部を除く)は廃止され、スマートタイムONEのみになるようです。
そのため、スマートタイムONEプランへの移行に同意するか、他社へ切り替えるかの二択になります。
スマートタイムONEはどのようなプランでしょうか?
具体的にはどんな電気料金になるのか?気になりますよね?!
この記事では、発表情報の概要と我が家を例にした料金予測を行ってみます。
結論:Looopでんきの新料金プラン「スマートタイムONE」は非常にリスキーでオススメできない
- Looopでんきの新料金プラン「スマートタイムONE」について
- 「スマートタイムONE」適用時の電気料金は?
2022年1月(冬)/5月(春)/8月(夏)の実績で計算
Looopでんき:スマートタイムONEについて
Looopでんきより、「スマートタイムONE」が2022年9月28日に発表になりました。
「スマートタイムONE」の概要
新料金プラン「スマートタイムONE」の概要(2022年12月開始)
基本料金0円(※1)で使った分だけお支払いいただくプラン構造はそのままに、従量料金に市場価格(「30分ごとに変わる料金単価(※2)」と「毎月固定の固定単価」で構成)に基づく要素を取り入れたLooopでんき独自のプランです。
(※1)「スマートタイムONE(動力)」は基本料金がかかりますので、ご注意ください。
(※2)日本卸電力取引所(JEPX)の市場価格に連動いたします。
出典:Looopでんきホームページ
「スマートタイムONE」の導入に伴い、既存プランの廃止
基本的にはすべての既存プランが廃止され強制的に移行されます。
- おうちプラン
- ビジネスプラン
- 動力プラン
- 再エネどんどん割S
- 再エネどんどん割L
- スマートタイムプラン
- BizプランS
- BizプランL
- 低圧電力
- マイニングフラット
- ベース電灯プランS
- ベース電灯プランL
- おうちプラン(コンサドーレ還元コース)
- おうちプラン(コンサドーレ還元コース ビジネスプラン相当)
- おうちプラン(EZOCAコース)
- おうちプラン(EZOCAコース ビジネスプラン相当)
※ みその再エネでんき、未来発電は対象外です。
移行に同意できない場合は、他社への切り替えを行う必要があります。
なお、申し出を行わない(何も連絡しない)場合は、「同意」として移行されるそうです。
既存プランから新プラン「スマートタイムONE」での変化点
各プランによって変化点は異なりますが、大きくは2つあります。
- 固定従量料金
使用電力量1kWhにつき発生する料金です。
電気を送る際に発生する「託送費」と「サービス料」で、毎月固定になります
東京電力管内の場合、15.11円です。 - 電源料金
電源料金単価は30分ごとに変わります。
JEPX(日本卸電力取引所)のスポット市場価格に連動します。
Looopでんきでは翌日までの電源料金単価をホームページ上で確認できるそうです。
下記JEPXのホームページでも確認できます。
ポイントとなるのは「電源料金」です。
太陽光発電の多いときは、0.01円/kWhの時もありますが、ピーク時は200円/kWhになることもあります!(後述)
「スマートタイムONE」適用時の電気料金は?
ここまではLooopでんきのホームページで確認できる内容です。
では、実際にJEPXのスポット市場価格を反映した際にどのような電気料金になるのか?気になりますね。
JEPX(日本卸電力取引所)のスポット市場価格
直近(2022年8月)のJEPX(日本卸電力取引所)のスポット市場価格を確認してみます。
※JEPX「エリアプライス東京」の値を示します。
参考にLooopでんきの既存プラン「スマートタイムプラン」を重ねて表示します。
8月3日は瞬間ではありますが、1kWhあたり200円になっています。
既存の「スマートタイムプラン」と比べると…ん〜分かりにくいですね。
これを一日の平均値にするとこうなります。
意外にも平均化するとJEPXの方が低いですね。
JEPX平均単価(平均):31.4円/kWh、既存プラン「スマートタイムプラン」の単価(平均):33.2円/kWhです。
ただし、新料金プラン「スマートタイムONE」は固定従量料金(東京電力管内:15.11円)が加わります。
新料金プラン「スマートタイムONE」に固定従量料金を計上すると価格差は逆転します。
スマートタイムONE単価(平均):46.5円/kWhになります。
パワフルな蓄電池があり、電源単価が安い時間を狙い撃ちで充電できれば、もしかすると良いプランかもしれません!
Looopでんきホームページでも、「ピークシフトでもっとお買い得に」と特徴を挙げていますが、通常装備のお家ではなかなか現実的ではないですね…
スマートタイムONEの電気料金予測
我が家の使用実績を基に新料金プラン「スマートタイムONE」の電気料金を計算してみます。
下記は2022年の使用実績ですが、1月(冬代表)、5月(春代表)、8月(夏代表)で、新料金プラン「スマートタイムONE(JEPX電源単価)」を適用したらどうなるのか?を計算したいと思います。
※1日〜月末で計算するため、下記のグラフとは計算区間が異なります(検針日の都合)。ご了承ください。
2022年1月の電気料金(スマートタイムONEの適用検証)
- 既存契約:スマートタイムプラン(冬)
- 燃料費等調整額:-0.53円
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金:3.36円
- 1月1日〜1月31日の使用電力量:772.4kWh
JEPX電源単価(エリアプライス東京)はこちら
2022年1月は燃料費高騰前のため、100円/kWh台はありません。
それでも、瞬間的には80円/kWhがみられます。
実質的な電気代料金はこちらになります。
新電力プランの「スマートタイムONE」は従量料金(東京電力管内:15.11円/kWh)も加わるため、既存の「スマートタイムプラン(燃料費等調整額込み)」よりは高い結果になってしまいます。
スマートタイムONE (従量料金+電源料金) | スマートタイムプラン (燃料費等調整額込み) | |
---|---|---|
電力量料金 | 29,826円 | 19,224円 |
再エネ賦課金 | 2,595円 | 2,595円 |
請求金額 | 32,421円 | 21,820円 |
2022年5月の電気料金(スマートタイムONEの適用検証)
- 既存契約:スマートタイムプラン(春)
- 燃料費等調整額:2.74円
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金:3.45円
- 5月1日〜5月31日の使用電力量:251.8kWh
JEPX電源単価(エリアプライス東京)はこちら
2022年5月は電力需要が低いシーズンのため、全域で低い電源単価となっています(最小は0.01円/kWh)。
実質的な電気代料金はこちらになります。
新電力プランの「スマートタイムONE」は従量料金(東京電力管内:15.11円/kWh)も加わるため、既存の「スマートタイムプラン(燃料費等調整額込み)」よりは高い結果になってしまいます。
固定の従量料金は厳しいですね。
スマートタイムONE (従量料金+電源料金) | スマートタイムプラン (燃料費等調整額込み) | |
---|---|---|
電力量料金 | 8,619円 | 6,123円 |
再エネ賦課金 | 868.7円 | 868.7円 |
請求金額 | 9,488円 | 6,991円 |
2022年8月の電気料金(スマートタイムONEの適用検証)
- 既存契約:スマートタイムプラン(夏)
- 燃料費等調整額:5.10円
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金:3.45円
- 8月1日〜8月31日の使用電力量:251.8kWh
JEPX電源単価(エリアプライス東京)はこちら
2022年8月は燃料費高騰+電力需要が高いため、最大で200円/kWhになっています!
実質的な電気代料金はこちらになります。
新電力プランの「スマートタイムONE」は従量料金(東京電力管内:15.11円/kWh)も加わるため、既存の「スマートタイムプラン(燃料費等調整額込み)」よりはかなり高い結果になってしまいます。
1日の電気代だけで2,000円を超えている日もあります…
スマートタイムONE (従量料金+電源料金) | スマートタイムプラン (燃料費等調整額込み) | |
---|---|---|
電力量料金 | 26,970円 | 18,917円 |
再エネ賦課金 | 1,994.5円 | 1,994.5円 |
請求金額 | 28,964円 | 20,911円 |
新料金プラン「スマートタイムONE」の請求額予想(まとめ)
1月/5月/8月を代表で検証しました。
新料金プラン「スマートタイムONE」を適用した際の各月請求額は下記のようになります。
2022年の冬も燃料費高騰、電力逼迫が予測されているので、更に厳しい結果が待っているかも知れませんね。
検証月 | 新料金プラン 「スマートタイムONE」 | 既存プラン 「スマートタイムプラン」 | 差額 |
---|---|---|---|
2022年1月 | 32,421円 | 21,820円 | +10,601円(149%) |
2022年5月 | 9,488円 | 6,991円 | +2,497円(136%) |
2022年8月 | 28,964円 | 20,911円 | +8,053円(139%) |
まとめ
Looopでんきの新料金プラン「スマートタイムONE」について如何だったでしょうか?
僕個人としてはオススメできる電力プランではありません…
従来の「燃料費調整額」が廃止され、代わりに「電源料金」が設けられる。
「電源料金」は市場価格が反映され、太陽光発電が順調且つ電力需要が低ければ、「0.01円/kWh」もあり得る。
逆に、再生可能エネルギーが期待できない日で、火力発電(燃料費高騰)を多く使うと「200円/kWh」もあり得る。
我が家の2022年の電気使用実績に「スマートタイムONE」を適用したら、請求額予想は軒並み高騰してしまった。
検証月 | 新料金プラン 「スマートタイムONE」 | 既存プラン 「スマートタイムプラン」 | 差額 |
---|---|---|---|
2022年1月 | 32,421円 | 21,820円 | +10,601円(149%) |
2022年5月 | 9,488円 | 6,991円 | +2,497円(136%) |
2022年8月 | 28,964円 | 20,911円 | +8,053円(139%) |
結論:Looopでんきの新料金プラン「スマートタイムONE」はオススメできない!
現在Looopでんきと契約中で、新料金プランを気にしていない方は要注意です!
継続=新料金プランへの移行(何もしないは、同意とみなされ、新料金プランへ移行する)になりますので、今年の冬の電気料金請求額が鬼の用になる可能性があります!
蓄電池等の設備が充実している方は、市場価格の波を利用して請求額を抑えられるかもしれません。
しかし、一般的なご家庭(我が家も)では、無謀な挑戦になるでしょう。
因みに我が家は、乗り替え手続き済みです(10月の検針日より)。
この記事がみなさまの参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございましたm(_ _)m