2022年は各物価上昇のターニングポイントとなる年ですね。
値上げは食料品・日用品に加えて、「ガス」「電気」と生活に必須な幅広い品目で生じています!
我が家もオール電化なので、当然影響を受けます。
そして、電気料金については、「燃料費等調整額」が鍵を握っているでしょう。
と言うのも、これまでは消費者を守るために、上限が設けられていましたが流石に燃料費高騰の影響が大きすぎて、企業だけで負担を背負うのは限界に…
消費者にも負担しもらいましょうと言う流れです。
では一体今後どのくらい消費者は負担を受け持つのでしょう?
- 今後の電気代上昇(直近)
- 今後の電気代上昇(長期的流れ)
- 今後どうすべきかの考察
これからお家づくりを進める方も、すでに建てられた方も、皆さんの参考になれば幸いです。
今後の電気上昇(直近)
我が家は「Looopでんき」の「スマートタイムプラン」を契約しています。
2021年付近でオール電化住宅を建てられて、電力会社と新規契約をされた方の中には「Looopでんき」を選ばれた方が多いかも知れませんね。
そんな、「Looopでんき」ですが、2022年に大きく値上げをいたします。
世界情勢を受けて燃料費が高騰したことが要因です。
これは、どの電気会社を選んでいても避けられないことでしょう。
2022年9月時点で分かっている値上げとして、3つあります。
そのうち2つは確定してますので、詳細を確認していみましょう。
(スマートタイムプランを中心にみていきますが、基本的にはどのプランも値上げとなっています)
Looopでんき:料金改定(値上げ①)
スマートタイムプラン含む各プランで料金改定が行われました。
(おうちプラン、ビジネスプランは2022年6月〜、動力プラン、スマートタイムプランは2022年8月〜)
適用は検針日によって異なるので、実質的には9月分から適用になる方が多いと思います。
(スマートタイムプランの場合)
内容は下記のようになっておりまして、東京電力管内であれば全時間帯で3.30円/kWhの値上げとなります。
たかが3.30円と感じるかも知れませんが、我が家の8月分の電気料金に適用してみると下記のようになります。
項目 | 単価[円] (改定前/改定後) | 使用量[kWh] | 金額[円] (改定前/改定後) |
---|---|---|---|
ピークタイム | 37.50/40.50 | 142 | 5,325.00/5,751.00 |
リビングタイム | 27.50/30.80 | 238 | 6,545.00/7,330.40 |
ナイトタイム | 20.50/23.80 | 210 | 4,305.00/4,998.00 |
合計 | 16,175/18,079 |
16,175円→18,079円となり、+1,904円(+11.8%)となります。
各時間帯で利上げ率が異なるため、スマートタイム、ナイトタイムの利用率が増える秋から冬はもっと影響があるでしょう。
- スマートタイム:+18.9%
- ピークタイム:+8.8%
- リビングタイム:+12.0%
- ナイトタイム:+16.1%
Looopでんき:燃料費調達単価の算出方法変更(値上げ②)
Looopでんきでは、燃料費調整単価の算出方法を2022年9月1日より変更します。
「石油、石炭、天然ガスなど化石燃料価格に連動」→「日本卸電力取引所(JEPX)に連動」
具体的な金額が見えないとどんな変更なのか分かりにくいですね。
下記はLooopでんきが発表している改定後のイメージです。
上記Looopでんきの情報を元にグラフを作成しました。
今までもジワジワと上がって来ていましたが、改定後はとんでもない上昇率です!
こちらに関しても我が家に8月分の使用量に計上してみましょう。
項目 | 単価 [円] | 使用量 [kWh] | 金額 [円] | 差額 [円] | 使用料金と合算 [円] |
---|---|---|---|---|---|
燃料調整費単価(改定前) | 5.10 | 590 | 3,009.00 | − | 21,219 |
燃料調整費単価(改定後:9月) | 13.49 | 590 | 7,959.10 | 4,950.10 | 26,169 |
燃料調整費単価(改定後:10月) | 18.97 | 590 | 11,192.30 | 8,183.30 | 29,402 |
21,219円→29,402円となり、+8,183円(+38.6%)となります。
9月・10月の使用量はここまで多くないと思いますが、11月・12月・1月・2月は30,000円超えを覚悟しないとダメかもしれませんね。
怖いことに、ニュース等では「まだまだ上がるのでは?」と言われていますね。。。
Looopでんき:市場連動型料金プランの導入(2022年冬予定)
市場連動型料金プランとは、時間ごとに単価が変動する料金プランです。
市場価格が安い時間帯で使用すれば電気料金を削減できる一方、市場価格高騰の影響を直接受ける可能性があります。しかし、太陽光パネルなどの「電気を作る装置」、ならびに蓄電池や電気自動車などの「電気を貯める装置」を活用することでリスクを小さくすることができます。
これ以上の詳細はまだわかりませんが、「プラン」となっているので契約者が選択可能なのだと思います。
現行の「スマートタイムプラン」に近いような気がしますが…
(文章を読む限り、ソーラー等の設備がないとリスクしかないって感じですね)
と思っていたんですが、既存プランは廃止され強制移行となります。
新たなプランは「スマートタイムONE」で市場価格に連動したプランになります。
詳細は別記事でまとめましたので、参考にしてください。
値上がり後の年間電気代予測
値上がり①、②を考慮した年間電気代を算出してみます。
- 電力会社:Looopでんき
- プラン:スマートタイムプラン
- エリア:東京電力管内
- 使用量:2021年9月〜2022年8月の実績
- 世帯人数:2人(共働き)
- その他:オール電化、ソーラーなし
- 値上げ①:全時間帯3.3円/kWh
- 値上げ②:燃料調整費19円/kWh(実績に対して差額分を計上、2円だった月は+17円)
我が家の年間使用料は実績で5,784kWhです。
金額にすると、
- 値上がり前(実績):175,794円
- 値上げ①:194,881円(+19,087円)
- 値上げ①+②:299,889円(+124,105円)
実績ベースで算出したため、夫婦2人(共働き)で平日の日中は留守の使用量です。
新しい家族を迎え入れて、日中も在宅する様になると使用量も増えると思います(TV、調理器具etc)。
となると、自ずと金額も増額していきます。
仮に、現在の使用量に対して1.2倍とした場合は下記のようになります。
年間使用量は5,784kWh → 6,938kWh(+1,154kWh)となります。
電気料金は、175,794円 → 359,867円(+184,073円)となり、205%となります!
10年で1,757,940円 → 3,598,670円(+1,840,730円)です。
これは何らかの対策が必要そうですね。
今後の電気代上昇(長期的流れ)
今後の電気代上昇について、直近の状況は燃料費高騰によって急激な変化が生じていますね。
では、燃料費が戻ったら価格は戻ってくるのでしょうか?
ここからは推測になってしまいますが、僕なりの予測を示したいと思います。
温暖化に伴う世界的な異常気象が非常に増える世の中になってしまいました。
温暖化の要因である温室効果ガス(GHG:greenhouse gas)のうち、多くを占めるのが二酸化炭素(CO2)です。
この二酸化炭素に対して日本政府の対応は、カーボンニュートラル(排出量実質ゼロ)を2050年までに実現すると掲げています。
カーボンニュートラルに向かうのは必須です。ですが、そのためにはお金が掛かります。
どこから捻出するのか?
その一つの答えが炭素税(カーボンクレジット)では?と思います。
下記は炭素税導入国の情報です。
スウェーデンを筆頭に高い税率が設けられている環境先進国がありますが、日本はと言うと…
めちゃくちゃ低いですね!
今後日本も目標に掲げたカーボンニュートラルの実現に向けて炭素税を導入する可能性はゼロではないと思います。
こうした流れがある中で、政府側は2022年の電気代値上げをチャンスと捉えているのではないでしょうか?
・原発の再稼働や、新増設に対する国民の賛同を得られる。
・炭素税の導入(価格が落ち着くのと同時に炭素税を導入する)
このようなことからも電気代の上昇は「今だけ耐えれば良い」というものでは無いように思います。
今後どうすべきかの考察
さてさて、電気代の値上げ(確定)、炭素税の導入(今後の可能性)があるなかで、我々はどのようにして身を守ればいいのでしょうか?
- 電気の使用を我慢する
確かに無駄に家電を使うのは削減が望ましいでしょう。
しかし、暑い・寒いを我慢するのは良くないですね。
- 高気密高断熱を有する家に住む
車では燃費/電費という言葉が定着しましたが、家も燃費という考え方が適用できます。
燃費の良い家に住めば、我慢することなく消費するエネルギーを少なくすることができます。
(燃費の良いプリウスに乗るか、燃費の悪いランクルに乗るかに近い感覚、同じ距離を走るのに使うガソリンの量が全然違う) - 日射取得・遮蔽が考慮された家に住む
断熱が優れていても、日射をコントロールできていない家では、暑い・寒いが発生します。
過ごし難いだけでなく、当然エネルギーロスも生じます。
これからお家づくりされる方は注意してください。
お家が完成している方は、夏の日射遮蔽だけでも対策しましょう(スダレで日射遮蔽するなど) - ソーラー発電を装備する
我が家は2021年新築時にソーラーを付けませんでした。
将来訪れるであろう炭素税の導入等で電気代が高騰した場合、その時に導入すればよいという考えです。
早くも訪れました… - 蓄電池を装備する
以前はFIT制度(固定価格買取制度)で売電による電気代相殺ができたかもしれません。
しかし、FIT制度売電価格(10kW未満)は、2022年は17円/kWh、2023年は16円/kWhとなります。
これでは売電での相殺は厳しいですね。(Looop電気の深夜電力は23.80円/kWh)
如何にソーラーで発電した電気を自家消費するかがポイントです。
そのためのツールとしては現在のところ蓄電池が現実的な答えです。
断熱にしても、ソーラー・蓄電池にしても初期費用が掛かります。
お金の問題以外(環境)にもフォーカスして、どうすべきかをしっかり考えたいですね。
まとめ
電気料金の値上げについてまとめてみました。
今後の各々の行動次第で、ダメージの大小が決まってきます。
この記事を考える切っ掛けにしていただけたら幸いです。
Looopでんきの今後の動向
Looopでんき(東京電力管内、スマートタイムプラン)を例に値上げ影響をまとめると下記になります。
- 料金改定
3.3円/kWh(2022年9月時点) - 燃料調達単価の改定
2022年9月:6.50円/kWh→13.49円/kWh
2022年10月:18.97円/kWh
2022年10月に441kWh(昨年同等)使用すると仮定すると、
- 2021年10月:12,802円(実績値)
- 2022年10月:23,535円(推測値)
請求金額:12,802円 → 23,535円(+10,733円、184%)
年間請求額:175,794円 → 299,889円(+124,095円、171%)
電気料金値上がりに無抵抗でいると、年間+124,095円(171%)の負担を受け入れることになります。
請求書が来てビックリ!にならないように注意しましょう。
日本における長期的な動向
長期的な目線では、カーボンニュートラルに向けた「炭素税」も注視していく必要があります。
今後の動向に注意しましょう!!
今後取るべき防衛策
- 電気の使用を我慢する
- 高気密高断熱を有する家に住む
- 日射取得・遮蔽が考慮された家に住む
- ソーラー発電を装備する
- 蓄電池を装備する
この情報を元に我が家でも対策検討を進めていこうと思います。
(ちょっと遅かったな…と後悔はありますが、今からでも遅くない!)
直近の対策として電力会社の切り替えを検討しました。
結果、我が家に適した電力会社は「九電みらいエナジー」となりました。
詳細は下記の記事をご覧ください。
この記事が皆様のステキなお家づくり・暮らしに繋がることを願っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございましたm(_ _)m