2月の寒さは厳しく、空気が乾燥しやすい季節ですね。
僕たちが住む群馬県も「赤城おろし」という冷たく乾いた北風が吹き下ろす地域でとても乾燥します。
しかし、高性能住宅である我が家は屋外が寒く乾燥していても、家中どこでも暖かく快適な環境が維持されています。
さらに、湿度も適切に保たれ、乾燥知らずの生活を楽しむことができました。
- 断熱性能(UA値):0.23w/m2k(HEAT20・G3、断熱等級7)
- 気密性能(C値):0.13cm2/m2
本記事では、高性能住宅がどのように快適な生活を実現するか、そして最近の値上がりで気になる電気代についても紹介します。
冬場の電気代や寒さ・乾燥に悩まされない家づくりを考えている方は必見です!
<結論>
連日の「乾燥注意報」を打ち消す乾燥感ゼロな居住空間
屋内の平均室内温度は23.1℃
屋内の平均湿度は57%
電気使用量は815kWh(やや多め…)
電気料金は26,991円(やや多め…)
高気密高断熱(C値0.13cm2/m2、UA値0.23w/m2k)の暮らし紹介
- 2月の屋外/屋内の温湿度状況
- 2月の光熱費(九電みらいエナジー:dポイントプランN)
お家づくりで後悔しないためのポイント
お家づくりの代表的な悩み、後悔、改善点は下記の項目が挙げられます。
この記事はアンダーライン部分に密接に関係する内容になっていますので、参考にしていただければ幸いです。
- 寒さや暑さによる快適性の悪さ
→特に古い建物や断熱性能の低い建物では、冬場の寒さや夏場の暑さが快適性を損ねることがあります。 - 築年数や耐震性の問題
→築年数が古くなるにつれ、耐震性や建物の構造的な問題が生じることがあります。また、新築時にも耐震性を重視していなかった場合、後悔することがあるかもしれません。 - メンテナンスの手間や費用の問題
→家には定期的なメンテナンスが必要ですが、手間や費用がかかることが多いです。 - 騒音やプライバシーの問題
→騒音やプライバシーの問題は、近隣との関係や家族との関係に影響を与えることがあります。 - 電気代や光熱費の高さ
→家計に大きな影響を与える電気代や光熱費は、省エネ対策や設備の見直しで改善できる場合があります。
2023年2月の屋外状況
屋外の温度・湿度は屋外に設置した温湿度計(SwithBot)から得たデータを使用しています。
データの取得方法については、下記の記事をご覧ください。
2023年2月の屋外温度@群馬県
群馬県の2023年2月の屋外気温を確認してみます。
平均気温と最高気温/最低気温をグラフ化しました。
グラフ下部の数字は一日の温度差の値です。
- 平均気温:5.6℃
(1月の3.9℃から+1.7℃) - 最高気温:14.3℃
(1月の11.5℃から+2.8℃) - 最低気温:-3.4℃
(1月の-5.3℃から+1.9℃)
体感的には「暖かくなった」とは感じませんが、1月と比較してみると気温は上昇してきていますね。
屋内は温度が一定なので、こういった季節の移り変わりに鈍感になってしまいます。
住環境の記録:2023年2月1日〜2月28日
お家の基本スペック
- 面積:106m2(32坪)
- 階数:平屋(勾配天井、ロフトあり)
- 断熱性能(UA値):0.23w/m2k(HEAT20・G3、断熱等級7)
- 気密性能(C値):0.13cm2/m2
- 工法/構想:木造軸組工法
- 換気システム:第1種全熱交換型
- 太陽光発電:なし
- 蓄電池:なし
また、断熱性能、気密性能に関する「おさらい」はこちらの記事を参考にしてください。
温度比較
- リビング(南側一等地)
- ロフト(高所注意!)
- 寝室(北側角部屋)
- 脱衣室(西側)
- 子供部屋(東側)
- 床下(基礎断熱=屋内扱い)
各部屋の平均温度と屋外平均温度を折れ線グラフで表示しています。
また、日照時間を棒グラフで表示しています。
ざっくりですが全体感は分かるかな?と思います。
- 全域で暖房(クール暖)を使用
- 暖房(クール暖)は日射取得できる日は基本的に停止
- 屋内平均温度:23.1℃(床下除く)
- 屋内MAX温度:25.6℃@ロフト
- 屋内MIN温度:21.2℃@寝室
計測場所 | 平均温度[℃] |
---|---|
リビング | 23.5 |
ロフト | 24.3 |
寝室 | 22.2 |
脱衣室 | 22.9 |
子供部屋 | 22.5 |
(床下) | (20.7) |
断熱性能のお陰で日射取得できる日中は暖房を停止しています。
温かい空気は上昇するため、ロフトの温度は高めとなっています。
続けて一日の屋内温度差(床下は除く)を見ていきます。
日ごとの平均温度差をグラフ化します。
- 各計測点の平均温度の差は、最大で2.4℃(2月4、10、13日)
高所の「ロフト(温度高い)」と北側角部屋の「寝室(温度低い)」の差 - 基本的には目標温度域(夏季:25℃〜28℃、冬期:22℃〜24℃)ですが、平均温度は目標内に納まっています。
最低温度は22℃を下回る日が多いですね(約半分の13日間)。
日射取得できるリビング vs その他の部屋で平均温度を引き下げていると思われます。
詳細をGoogleのLooker Studioで確認できます
湿度比較
相対湿度[%]
馴染みのある相対湿度[%]で屋外と屋内を比較してみます。
屋内の湿度は各部屋(床下を除く5ヶ所)の平均値です。
2月の群馬県はほぼ全日の25日間「乾燥注意報」が発令されました。
屋外の相対湿度は平均46.8%で目標の40〜60%内に見えますが…
相対湿度では乾燥感が分かりにくいので後述する絶対湿度で見ていきましょう。
屋内は目標相対湿度の上限付近を維持しています。
小さい加湿器ですがお家の性能と相まって安定した湿度を得られています。
屋内相対湿度は平均57.0%(床下除く)
絶対湿度[g/kg]
乾燥の様子が分かるように、絶対湿度で比較してみましょう。
絶対湿度は計算で求めています。
絶対湿度を見ると、全域で低湿度であることがわかります。これが「乾燥注意報」が出る状態です。
当然ですが目標ラインのはるか下を推移しています。
屋外の絶対湿度は平均3.0g/kgです。
一方で屋内は目標絶対湿度内を保っています。
冬の乾燥する時期でも10g/kg前後を維持できていれば十分といえると言えます。
気化式の加湿器一台でここまでの湿度を維持することができるお家の性能に感謝です。
屋内絶対湿度は平均10.0g/kg(床下除く)
クール暖(&エコヌクール):水温設定
クール暖(エコヌクール)の水温設定と各温度および日照時間をグラフにしました。
また、クール暖は日中停止で使用しています。
冬のクール暖(エコヌクール)の水温設定は基本的に日中停止で使用しています。
九電みらいエナジーのNプランでは23時〜7時の間が夜間料金のため、クール暖は7時で停止しています。
丁度朝日も出始めるので暖房から日射取得へ切り替えるイメージですね。
クール暖は日射取得できる日中は停止し、日が落ち始める16時から使用するサイクルです。
日中は日射取得のみで十分快適に過ごすことができています。
水温設定は46℃〜50℃での使用しています。
光熱費紹介
光熱費に関わる基本情報のご紹介です。
断熱性能はHEAT20 G3(断熱等級7)です。
- 面積:106m2(32坪)
- 階数:平屋(勾配天井、ロフトあり)
- 断熱性能(UA値):0.23w/m2k
- 気密性能(C値):0.13cm2/m2
- 工法/構想:木造軸組工法
- 換気システム:第1種全熱交換型
- 太陽光発電:なし
- 蓄電池:なし
オール電化です。
- 冷暖房設備
協立エアテック:クール暖(輻射式冷暖房) - 換気設備
マーベックス:澄家(全熱交換型第一種換気) - 給湯設備
三菱:エコキュート(Sシリーズ460L) - 調理器具(IH)
三菱:ユーロスタイルIH(グリルなし) - 食洗機
BOSCH:60cmビルトイン食洗機(SMV46TX016) - 洗濯機
SHARP:ドラム式洗濯乾燥機(ES-W113) - 除湿機(梅雨、夏時期のみ使用)
三菱:衣類乾燥除湿機(MJ-M120PX)
エレクトロラックス:除湿機(UltimateHome 500)
2022年9月6日に第一子が誕生しました。
生活スタイルは2022年9月から大きく変わりました。
- 居住者:夫婦+子供1
- お休み:
基本的には土日祝日休み→ 毎日在宅(出産+育児期間) - 屋内の服装
夏:半袖半ズボン
冬:長袖長ズボン(薄手) - 室温目標
夏:25℃〜28℃
冬:22℃〜24℃ - 湿度目標
相対湿度:40%〜60%
絶対湿度:7g/kg〜13g/kg - 食洗機:1日に1回が基本
- 洗濯:
2日に1回が基本→ 1日に1回が基本
夏:洗濯機の乾燥機能を使用
冬:部屋干し・・・節電+加湿→ 洗濯機の乾燥機使用
※子育て中の今、乾燥機能は手放せず、冬でも使います - お風呂:
基本的にはシャワー
(快適な家になってからお風呂を欲しなくなった)
→基本的に毎日入浴(1月25日より子供が沐浴を卒業)
電力使用予測(エネルギーパス協会の事前予測)
消費量予測 | 光熱費予測 | 電力単価 (1kWhあたり) |
---|---|---|
498kWh | 19,931円 | 40.0円 |
建設時(2021年)は電力単価:29.1円/kWhでしたが、2022年の年末実績では電力単価:40円/kWhとなりました。
そのため光熱費の予測計算は40円/kWhで再計算しています。
✔29.1円/kWhの年間光熱費予測:175,500円
✔40.0円/kWhの年間光熱費予測:241,237円
年間で65,737円の差が生じることになります。
電力使用量
2023年2月(2023/1/22〜2023/2/21)の使用量と光熱費は下記となりました。
電力会社:九電みらいエナジー(dポイントプランN)
2023年2月の電気使用量は予測・前年実績に対してとても多くなってしまいました。
- 電気使用量は予測に対して64%オーバー
- 昨年の使用量に対しては12%増加
- 1m2あたりの電気使用量:7.7kWh/月
- 1m2あたりの電気料金:254.6円/月
なぜか?
昨年に対する変化点は、第一子誕生による影響が考えられます。
- 育児休業中のため在宅率が増えた
- 食事を家で取ることが増えたため食洗機の使用率が増えた
- お風呂がシャワーから入浴に切り替わったため給湯量が増えた
- 洗濯後の乾燥が部屋干しから洗濯機乾燥に変わった
予測に対しする乖離が多いのはなぜか?
これに…ハッキリしたことが言えません。
内訳
項目 | 単価 [円] (前月比) | 使用量 [kWh] (前月比) | 金額 [円] (前月比) |
---|---|---|---|
基本料金(6kVA) | − | − | 1,711.14 (100%) |
電力量料金(昼間) | 25.26 (100%) | 390.7(※) (128%) | 9,869.91 (128%) |
電力量料金(夜間) | 17.72 (100%) | 433.2(※) (109%) | 7,676.64 (109%) |
燃料費調整額 | 12.99→6.04 (46%) | 815 (117%) | 4,922.6 (55%) |
再生可能エネルギー発電進捗賦課金 | 3.45 (100%) | 815 (117%) | 2,811.75 (117%) |
※電力量料金(昼間/夜間)の使用量は電力会社からの通知がないため、それぞれの金額からの計算で求めています。
年間累計
エネパス予測および、昨年(2022年)・今年(2023年)の実績使用量・光熱費の累計グラフです。
1月に引き続きオーバーとなりました。
我が家は6月からエネパス予測を下回る傾向があるようなので、中盤から挽回していきます!
燃料費等調整額・再エネ賦課金の推移
燃料費調整額は久々に一桁台となり6.04円/kWhです。
これは、国による電気料金軽減措置(低圧:▲7円/kWh)が織り込まれているためです。
本来の燃料費調整額は、6.04 + 7.00=13.04円/kWhとなるわけですね。
我が家の場合、電気料金軽減措置の効果は「7.00円/kWh × 818kWh = 5,726円」です。
つまり措置がなければ、請求額が32,717円となるところでした。
電気料金が3万円を超えるのは…ちょっと見たくない金額ね。
電気使用量の分析
電気使用量のは屋外気温との関係が密接と考えています。
その他因子も含めて分析してみます。
電気使用量と因子の相関分析
相関分析を用いて電気使用量との関係性を分析してみます。
電気使用量に関係する因子(5つ)について相関係数を算出します。
- 屋外平均気温
- 屋外最高気温
- 屋外最低気温
- 日照時間
- 屋内平均温度
相関係数 | 相関の強さ |
---|---|
1.0〜0.7 | 強い正の相関 |
0.7〜0.5 | 正の相関 |
0.5〜-0.5 | 相関なし |
-0.5〜-0.7 | 負の相関 |
-0.7〜-1.0 | 強い負の相関 |
家電の使い方なども因子ではありますが、ひとまず温度がポイントであることは明確です。
中でも屋外平均気温がポイントのようです。
- 屋外平均気温は相関係数-0.61で負の相関関係
- 屋外最低気温は相関係数-0.53で負の相関関係
- その他は相関なし
1月は屋外平均気温との相関係数が-0.81でしたので「強い負の相関」でしたが、2月は-0.61で少し和らいでします。
電気使用量に関して温度依存以外の要素が増えたかもしれませんね。
思い当たるところではお風呂ですね。シャワーから入浴へ切り替えたタイミングが1月25日です。
2023年2月の電気使用量
2月の電気使用量が多かったのは2月10日です。この日は平均気温1.4℃で雪になりました。
- 電気使用量の平均は“31.7kWh”
- 電気使用量“最小値”は2月24日(19.1kWh)
- 電気使用量“最大値”は2月10日(31.7kWh)
2023年2月の電気料金
(参考)2023年1月の電気料金グラフ
単価、燃料調整費、再エネ賦課金の積み上げグラフにしていますが、燃料調整費(ピンク)の部分がかなり小さくなりました。電気料金軽減措置(低圧:▲7円/kWh)がとても効果を発揮しています。
- 電気料金の平均は“675円”
- 電気使用量“最小値”は2月24日(552円)
- 電気使用量“最大値”は2月10日(998円)
- 電気料金が一日1,000円を超える日は“0日間”
→1月は8日間もありました。
電気使用量の“最小”/“最大”を比較
差の大きかった1月10日と26日を比較してみます。
26日は最強寒波の影響で最低気温は-5.3℃まで下がりました。
<屋外温度と消費電力の関係について考察>
■夜間の使用電力
2月10日の前日はお風呂を使用しましたが、2月24日の前日はシャワーのみでお湯の使用量が異なっています。
その影響と思われるのが夜間電力の使用量ですね。
たくさんのお湯を作るために早い時間から沸かしを行ったのでしょう。
(夜間の電力は食洗機にも使っていますが。両日とも使用しているので条件は同等です)
■昼間の使用電力
2月10日は雪のため日射取得が行えないため終日暖房を使用しました。
一方で2月24日はしっかりと晴れ日射取得できたので日中は暖房を停止しました。
(16時から暖房を使用開始)
その差が明確に表れています。
詳細をGoogleのLooker Studioで確認できます
まとめ
2023年2月は屋外平均気温が5.6℃とさむ~い上に、ほぼ全日となる25日間で「乾燥注意報」が発令されるとても乾燥した1ヶ月でした。乾燥は体調管理する上で大敵となりますが、我が家の湿度は平均57%と潤った空間を維持できました。
- 平均温度:23.1℃(冬季目標:22℃〜24℃)(夏季目標:25℃〜28℃)
- 平均相対湿度:57.0%(目標:40%〜60%)
- 平均絶対湿度:10.0g/kg(目標:7g/kg〜13g/kg)
2月の平均屋内温度は23.1℃と目標の22℃〜24℃の中央値となりました。
湿度もしっかり目の平均57%ですので、乾燥感はなくとても過ごしやすいです。
こんなに快適な空間で育つ赤ちゃんが他の場所で過ごせるのか?少し不安になってしまいます。
- 予測電力使用量:498kWh
- 予測電気料金:19,931円
- 実際の電力使用量:815kWh(予測比164%)
- 実際の電気料金:26,991円(予測比135%)
※2022年9月から家族が増えました!在宅時間は大幅に増加!洗濯等の回数も増加しています。
※2022年11月から電気会社を見直しました!(Looopでんき → 九電みらいエナジー)
※2023年1月から子供が沐浴を卒業し、シャワー中心からお風呂中心へシフト
使用量はエネルギーパス協会の予測を大幅に上回ってしまいました。
子育てによる在宅率増加や家電の影響もありますが、1月末からの変化点が大きく影響している思われます。
それは「毎日のお湯はり」です。赤ちゃんが沐浴を卒業して、お湯はりして入浴するようになりました。
給湯に使用するエコキュートの電力消費は、高断熱であっても抑えることが出来ない部分です…
(エコキュート本体が屋外にありますし、屋外の熱を集めているため住宅性能とは切り離される)
高気密高断熱の暮らしが少しでも伝わればと思っていますが如何だったでしょうか?
電気代の高騰が続いています。
少しでもエコ(高断熱)なお家に住んだ方が光熱費が抑えられると思います。
当然、断熱性能を高めるためには初期投資が掛かってしまいます。しかし、入れてしまえばメンテナンスフリーなのが断熱材です(正しく施工されれば)。また、お家の寿命を延ばすことにも繋がります。
何も残らない電気にお金を使い続けるか?初期投資は掛かるけど少ない電気で快適に過ごせる断熱にお金を使うか?
その判断に役立つ情報になっていれば幸いです。