断熱性能の基準は色々ありますが、恐らく頭打ち性能はHEAT20 G3(=断熱等級7)だと思います。
家づくりを始めて耳にされた方もいらっしゃるかも?
では、そんな断熱性能のお家はどんな暮らしになるのか?気になりますよね。
この記事では、そんなHEAT20 G3(=断熱等級7)の暮らし方をご紹介していきます。
10月中旬より急に寒く!
高断熱なお家の性能を体感できるのでしょうか?
変わりゆく季節10月
今年の10月は前半暖かく、後半急に寒くなりました。
高断熱高気密なお家ではどのようなことが起きるのでしょうか?
とても気になる!
実録:2021年10月1日〜10月31日
リビングの温度
9月に引き続き10月上旬は日中暑い日が続きました。
30℃近い日が続くなか、南側の窓は日射取得をする季節です。
リビングはどのような影響を受けたのでしょうか?
- 上側の折れ線グラフ
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・黒の実線(緑の値):一日の平均温度を示す
・オレンジの値:最高温度を示す
・ブルーの値:最低温度を示す - 下側の棒グラフ
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一日の温度差を示す
9月に比べるとだいぶ安定しているね。
クール暖の使い方がわかってきたよ!
次項目をどうぞ。
リビング温度とクール暖の設定
9月の記事でお伝えした、クール暖(&エコヌクール)の水温自動設定を引き続き検証しています。
さらに10月中旬以降は寒くなり、暖房としてのクール暖も初使用です!
9月はクール暖の水温自動設定はいまいちよくわからなかったので、引き続き検証をしてみたよ。
- 上側の折れ線グラフ
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・黒の実線:その日の平均温度を示す
・赤の細実線:その日の最高温度を示す
・青の細実線:その日の最低温度を示す - 下側の棒グラフ
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・青い棒グラフ:クール暖の設定水温(その日の低い値)を示す
・オレンジの棒グラフ:クール暖の設定水温(その日の高い値)を示す※グラフなし:水温設定を「自動」に設定
- 下側の折れ線グラフ
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その日の日照時間を示す
前半(10/1〜10/17)は冷房を使用していました。
10月なのに日中の外気温が30℃近くまで上々したので仕方がないですね。。。
よく「暑さ寒さも彼岸まで」といいますが、9月23日はとっくに過ぎてますよ〜(^_^;)
クール暖(エコヌクール)冷房のポイント(9月〜10月)
・日照時間が多い日は、水温設定でコントロール(我が家の場合:16℃)
・日照時間が少ない日(雨・曇り)は、水温設定「自動」が活用できる
この時期は庇で日射が防げないので、日差しの量に応じて水温をコントロールするのがポイントです。
後半(10/18〜10/31)は暖房を使用しました。
10月前半の暑さがウソのように急に涼しく(寒く)なりました。
最低気温が10℃を下回る日も増えています。
そちらの様子はお家全体で見ていきましょう。
各部屋の平均温度を比較
10月17日から急に外気の平均温度が下がりました。
お家全体がどのような影響を受けたのかを見ていきましょう。
10月17日の外気平均温度の低下しています。
各部屋の温度は外気と反して上昇しています。
これは、暖房を使用したからです。
10月19日は各部屋とも温度が下がっているわよ。
その日はクール暖を停止しました。
暖房の様子がわかるようにグラフを作ってみましたよ。
- 上側の折れ線グラフ
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・黒の実線:その日の平均温度を示す
・黒の破線:その日の外気平均温度を示す
・赤の破線:その日の外気最高温度を示す
・青の破線:その日の外気最低温度を示す - 下側の棒グラフ
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・青い棒グラフ:クール暖の設定水温(その日の低い値)を示す
・オレンジの棒グラフ:クール暖の設定水温(その日の高い値)を示す※グラフなし
:水温設定を「冷房自動」に設定
:水温設定を「暖房自動1」に設定
:水温設定を「暖房自動1(ひかえめ)」に設定
:水温設定を「暖房自動2(ひかえめ)」に設定
なんだか暖房設定が多くない?
しかも私の知らない間に、色々試していたのね!
暖房の設定に関しては、次の項目でご説明を…
クール暖(&エコヌクール):水温設定
クール暖(エコヌクール)の水温設定(冷房モード)に「自動」があることをお伝えしましたが、暖房モードでもありました。
改めてマニュアルを確認してみます。
「暖房負荷により水温を自動調節」という説明は冷房と同じですね。
説明はやっぱりよく分かりません。
実際に試した結果を確認してみましょう!
外気や日照時間との関係はあると思いますが概ね、
暖房自動1 → 暖房自動1(ひかえめ) → 暖房自動2(ひかえめ)の順に室温平均が下がっていますね。
設定としては有効に動作しているようです。
冷房よりも自動の制御が働いているみたいね。
断熱性能という保温する能力を考えても、暖房の方がお家の力が発揮される影響があるんだろうね。
私たちのお家は、冬向きということ?
暑さも寒さも通しにくいお家だけど、冬の方が得意だと思う。
「蓄えた熱を逃さない」は夏不利で冬有利だね。
詳細は、下記記事を参考にしてね。
引き続き、本格的な冬で試していきましょう!
リビングの相対湿度と絶対湿度
季節も秋!ついに湿気たっぷりから解放されたのではないでしょうか?
確認してみます。
10月なのに前半は湿気たっぷりだね。
後半は湿度が下がっているのがわかるね。
10月前半はまだ除湿機を使用したりして、湿度との戦いがあって大変だったよ…
10月中旬からは高湿度との戦いが落ち着きました。
右肩下がりですね。このまま過乾燥になってしまうのか?
今後、楽しみです。
外気の絶対湿度との関係を見てみると一目瞭然だね!
10月17日からこんなに外気の湿度が下がってるのね!!
どうりでお肌が乾燥するわけね…
でもお家の中は快適な湿度が維持できているね。
これは床下の湿度(基礎の持つ湿気)の影響もありそうだね。
加湿器要らずね!
全熱交換タイプの一種換気の効果もありそうだね。
そうだね!
でも、この先さらに乾燥してきたら加湿器が必要になるかもしれないね。
基本的には高気密住宅は過乾燥になる傾向だからね。
2021年10月のトピックス結露が発生!
なんと!10月ですが窓の結露が発生しました!
少しなのでカビが生えるほどではありませんね。
このぐらいだとすぐに乾いてしまいます。
なんで結露が発生しちゃったの?
知りたい??
知ってるなら教えてよーー!
では、この日の温度と湿度の関係から、結露がなぜ発生したのかをお教えしましょう
寝室の温度と湿度
外気温は10℃以下になり寒いですが、寝室の温度は25℃で快適が維持できていますね。
外気温がこれだけ下がると乾燥しがちになりそうですが、寝室の湿度は高い状態です(特に加湿等は行っていません、人の息に含まれる水分でしょう)。
ピークでは62%に達しています。
湿り空気線図から露点温度を算出
この時の結露する温度(露点温度)を「湿り空気線図」で調べてみましょう。
・室温:25.2℃
・相対湿度:62%
とすると、露点温度は17.4℃です。
窓際で温度が17.4℃を下回ってしまったということになります。
高性能窓(APW430)が結露するメカニズム
我が家の窓は、YKKAPのAPW430を使用しています。
高性能トリプルガラス樹脂窓で、日本ではトップクラスの断熱性能を有します。
高性能窓を使用しているのになぜ結露が発生したのでしょうか?
下記がメカニズムです。
高性能窓でも結露してしまうメカニズム
- 窓とカーテンの間はカーテンによって断熱される
- 断熱された空間は室温よりも温度が下がってしまう
(窓が外気温に近づいてしまう) - 湿った空気はカーテンと壁の隙間から簡単にすり抜ける
- 外気温に近づいた窓に湿った空気が触れる
- 窓が露点温度より低いと結露する
窓の結露を防止する方法
高性能窓を使用していても結露してしまう…
メカニズムを考えると、カーテンを開ければ解決するはずです!
え〜でも寝ている時はカーテンを閉めたい…
どうにかならないの?
そしたら、少しカーテンを開けておきましょう!
このような結露は、断熱性の高いカーテンやハニカムブラインド(空気層=断熱層を持ったブラインド)で発生しやすいので注意しましょう!
光熱費のご紹介
10月の光熱費を見ていきましょう。
設備情報
使用する設備は変わっていませんが、一応記載します。
我が家の主な設備仕様(電気を多く消費してそうなモノたち)
- 暖冷房設備
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テスク:クール暖(輻射式冷暖房)
- 換気設備
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マーベックス:澄家(全熱交換型第一種換気)
- 給湯設備
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三菱:エコキュート(Sシリーズ460L)
- 調理器具
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三菱:ユーロスタイルIH(グリルなし)
- 食洗機
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BOSCH:60cmビルトイン食洗機(SMV46TX016)
- 洗濯機
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SHARP:ドラム式洗濯乾燥機(ES-W113)
- 除湿機
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三菱:衣類乾燥除湿機(MJ-M120PX)
電力使用予測(エネルギーパス協会の事前予測)
消費量予測 | 光熱費予測 | 燃料単価(1kWhあたり) |
---|---|---|
344kWh | 10,000円 | 29.1円 |
電力使用量
2021年10月(9月27日〜10月24日)の使用電力は…
(電力会社:東京電力エナジーパートナー)
使用量 | 基本料金 | 請求金額 | 1kWhあたり (基本料金を除く/基本料金込み) |
---|---|---|---|
411kWh | 1,716円 | 12,802円 | 27.0円/31.1円 |
使用量は予測をオーバーしゃったね。
予測:344kWhに対して、411kWhで67kWhのオーバーです。
残暑の影響と除湿機が欠かせない前半の影響ですね。
まぁ〜いいんじゃない笑
そだね〜笑
まとめ
2021年10月は残暑が急に寒くなるという月になりました。
日差しも強く、庇で防げないこの季節はまだ冷房が手放せません。
と思ったら急に寒くなりました。体調を壊しやすい季節ですね。
「高性能なお家は快適なのか?」について気づいたことをまとめます。
- 高断熱高気密は暑い季節よりも寒い季節の方が快適性を強く感じる
- 冬の過乾燥、今のところ問題なし
- クール暖の「自動」(暖房)は、安定して使用できる
- 10月の残暑と庇による日射遮蔽が厳しく屋内は暑くなりがち
- 寝室の窓はカーテンによる断熱に注意が必要
(高性能窓でも結露する) - 寝室に断熱性の高いカーテンやハニカムブラインドを使用すると結露の可能性が高まります
(我が家は断熱性の低いロールカーテン、それでも結露しました)
以上、暮らしの記録:2021年10月編でした。
まだ慣れていないこともあり、色々お試し中ですが、これからお家を建てる方のお役に立てば幸いです。