お家づくりで「断熱性能」をどのくらいにすればいいのか?と悩まれている方が多いのではないでしょうか?
断熱性能を示す基準も複数あり代表的な基準は下記です。
✔国土交通省の「断熱等級」
✔一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会の「HEAT20」
断熱性能も頭打ちはあり、断熱等級であれば「7」、HEAT20であれば「G3」だと思います。
この記事では、高気密高断熱(HEAT20:G3、断熱等級:7等級)の暮らしをご紹介していきます。
家づくりの大切な要素の一つである断熱性能について、本記事を参考にしいただき後悔のない家づくりの参考にしていただければ幸いです。
<結論>
寒さ本番の12月!屋外の平均気温は6.1℃でしたが、屋内はとても快適です。
お家全体が温かいので、夜中にトイレに行くのも、朝起きるのも辛くありません。
アパート時代は朝起きると息が白かったことを思い出すと快適さを実感します。
だんだん快適さに慣れてきて、当たり前だと思い始めている自分が怖いです。
そんな屋内のため服装・お布団選びは不要です。(屋内平均温度は21.8℃)
高気密高断熱(C値0.13cm2/m2、UA値0.23w/m2k)の暮らし紹介
- 12月の屋外/屋内の温湿度状況
- 12月の光熱費(九電みらいエナジー:dポイントプランN)
2022年12月の屋外状況
屋外の温度・湿度は屋外に設置した温湿度計(SwithBot)から得たデータを使用しています。
データの取得方法については、下記の記事をご覧ください。
2022年12月の屋外温度@群馬県
群馬県の2022年12月の屋外気温を確認してみます。
平均気温と最高気温/最低気温をグラフ化しました。
グラフ下部の数字は一日の温度差の値です。
- 平均気温:6.1℃
(11月の13.1℃から-7.0℃) - 最高気温:15.7℃
(11月の21.3℃から-5.6℃) - 最低気温:-1.5℃
(11月の5.4℃から-6.9℃) - 氷点下日数:7日
(11月の0日から+7日) - 夏日(25℃以上):0日
(11月も0日です) - 真夏日(30℃以上):0日
(11月も0日です) - 猛暑日(35℃以上):0日
(11月も0日です)
2022年12月の平均気温は12月1日以外一桁台となりました。
最低気温が氷点下になる日も7日あり、最も寒かったのは12月21日の-1.5℃です。
12月24日は雪が振りホワイト☃・クリスマス🎄になりました。
住環境の記録:2022年12月1日〜12月31日
お家の基本スペック
- 面積:106m2(32坪)
- 階数:平屋(勾配天井、ロフトあり)
- 断熱性能(UA値):0.23w/m2k(HEAT20・G3、断熱等級7)
- 気密性能(C値):0.13cm2/m2
- 工法/構想:木造軸組工法
また、断熱性能、気密性能に関するおさらいはこちらの記事を参考にしてください。
温度比較
- リビング(南側一等地)
- ロフト(高所注意!)
- 寝室(北側角部屋)
- 脱衣室(西側)
- 子供部屋(東側)
- 床下(基礎断熱=屋内扱い)
各部屋の平均温度と屋外平均温度を折れ線グラフで表示しています。
また、日照時間を棒グラフで表示しています。
ざっくりですが全体感は分かるかな?と思います。
- 全域で暖房(クール暖)を使用
- 暖房(クール暖)は日射取得できる日は基本的に停止
- 屋内平均温度は21.8℃(床下除く)
- 1ヶ月を通しての平均温度の最大温度差は3.2℃(床下除く)
・MAX:23.6℃@ロフト
・MIN:20.4℃@寝室
12月は日が立つにつれて屋内の温度差が広がっていくように見えますね。
日射取得できるリビングと北側の寝室との差が徐々に広がっています。
これは日中は無暖房のため、日射取得の影響がモロに現れているためです。
とは言え、日中はリビングで過ごすため、暑いぐらいです。
続けて一日の屋内温度差(床下は除く)を見ていきます。
日ごとの平均温度差をグラフ化します。
- 各計測点の平均温度の差は、最大で2.3℃
メイン居住スペースの「リビング(温度高い)」と北側角部屋の「寝室(温度低い)」の差 - 基本的には目標温度域(夏季:25℃〜28℃、冬期:22℃〜24℃)ですが、平均温度・最低温度が22℃を下回る日が多いですね。
日射取得できるリビング vs その他の部屋で平均温度を引き下げていると思われます。
とは言え温度差は最大でも2.3℃、全体的には1℃台の差ですので、めちゃくちゃ寒い!というわけではありません。
湿度比較
相対湿度[%]
馴染みのある相対湿度[%]で屋外と屋内を比較してみます。
屋内の湿度は各部屋(床下を除く5ヶ所)の平均値です。
12月は平均気温も一桁台になり日本特有の乾燥の季節になります。
12月20日は群馬県では「乾燥注意報」が発令されました。
屋外の相対湿度は平均61.9%で高く見えますが…
相対湿度では乾燥感が分かりにくいので後述する絶対湿度で見ていきましょう。
屋内は目標相対湿度のアッパー領域を維持しています。
数日は60%超えの日もありますね。
と言うのも乾燥に備えて加湿器を常時使用しております。
屋内相対湿度は平均59.2%(床下除く)
絶対湿度[g/kg]
乾燥の様子が分かるように、絶対湿度で比較してみましょう。
絶対湿度は計算で求めています。
絶対湿度で見ると12月は全域で低湿度になってきています。
目標ラインのはるか下を推移しています。
屋外の絶対湿度は平均3.6g/kgです。
屋内は目標絶対湿度内をキープしています。
年齢も影響していると思いますが、この時期は肌の乾燥に悩まされていました。
今年は乾燥感が出てないですね(昨年より加湿器を導入した効果かな?)。
加湿器は使用していますが、劇的な湿度上昇というよりはマイルドに効いていて安定が図れているという印象ですね。
屋内絶対湿度は平均9.6g/kg(床下除く)
クール暖(&エコヌクール):水温設定
クール暖(エコヌクール)の水温設定をカレンダーにプロットしました。
日照時間や天気も見えるようにしています。
グラフ化して屋外と屋内の温度変化をみてみます。
クール暖に関しては常時稼働させませんでした。
どういう事かというと、日射取得できる日中は停止しているということです。
理由は、日中は暑くなってしまうからです。
暑いと言っても24℃〜26℃でちょうど良さそうに見えるのですが、実際に体感してみると暑いです。
特に一桁台の屋外から戻ってきたときは、「うわぁ!アッツ!」となります。
昨年は日中不在が多かったので、クール暖も常時稼働していました。
夜帰ってくるとちょうど良かったので日中暑くなりすぎていることに気が付きませんでした。
今年は新しい家族が増え、子育て中で日中もお家に居ます。
子育てって意外と動いたりして、いい運動ですよね。
そうすると、22℃下回っていても意外とちょうど良かったりします。
流石に日が落ちるとヒンヤリしてくるので、夕方頃からクール暖を稼働させる感じに落ち着きました。
改めて思いますが、冬の「日射取得」大事です。
クール暖の暖房自動設定については、2021年10月の記事を参考にしてください。
光熱費紹介
断熱性能はHEAT20 G3(断熱等級7)です。
- 面積:106m2(32坪)
- 階数:平屋(勾配天井、ロフトあり)
- 断熱性能(UA値):0.23w/m2k
- 気密性能(C値):0.13cm2/m2
- 工法/構想:木造軸組工法
- 太陽光発電:なし
- 蓄電池:なし
オール電化です。
- 冷暖房設備
協立エアテック:クール暖(輻射式冷暖房) - 換気設備
マーベックス:澄家(全熱交換型第一種換気) - 給湯設備
三菱:エコキュート(Sシリーズ460L) - 調理器具(IH)
三菱:ユーロスタイルIH(グリルなし) - 食洗機
BOSCH:60cmビルトイン食洗機(SMV46TX016) - 洗濯機
SHARP:ドラム式洗濯乾燥機(ES-W113) - 除湿機(梅雨、夏時期のみ使用)
三菱:衣類乾燥除湿機(MJ-M120PX)
エレクトロラックス:除湿機(UltimateHome 500)
2022年9月6日に第一子が誕生しました。
生活スタイルは2022年9月から大きく変わりました。
- 居住者:夫婦+子供1
- お休み:
基本的には土日祝日休み→ 毎日在宅(出産+育児期間) - 屋内の服装
夏:半袖半ズボン
冬:長袖長ズボン(薄手) - 室温目標
夏:25℃〜28℃
冬:22℃〜24℃ - 湿度目標
相対湿度:40%〜60%
絶対湿度:7g/kg〜13g/kg - 食洗機:1日に1回が基本
- 洗濯:
2日に1回が基本→ 1日に1回が基本
夏:洗濯機の乾燥機能を使用
冬:部屋干し・・・節電+加湿→ 洗濯機の乾燥機使用
※子育て中の今、乾燥機能は手放せず、冬でも使います - お風呂:基本的にはシャワー
(快適な家になってからお風呂を欲しなくなった)
電力使用予測(エネルギーパス協会の事前予測)
消費量予測 | 光熱費予測 | 電力単価 (1kWhあたり) |
---|---|---|
515kWh | 15,000円 | 29.1円 |
電力使用量
2022年12月(2022/11/22〜2022/12/21)の使用量は…
(電力会社:九電みらいエナジー…dポイントプランN)
使用量 (予測との比) 【先月比】 | 請求金額 (予測との比) 【先月比】 | 1kWhあたり (予測との比) 【先月比】 |
---|---|---|
509kWh (99%) 【152%】 | 20,323円 (135%) 【150%】 | 39.9円 (137%) 【99%】 |
電気使用量も光熱費も予測を上回ってしまいました。
・予測使用量:515Whに対して、実際:509kWhで-6kWh(99%)です。
・予測電気料金:15,000円に対して、実際:20,323円で+5,323円(135%)です。
予測電気料金には消費税・燃料費等調整額・再エネ・基本料金が含まれないので当然ですが、電気料金値上げの影響はとても大きいですね。
請求金額が2万円を超えると「え!👀」てなっちゃうね。
このままで行くと、1月・2月の電気代が怖いわね。
3万円行っちゃうのでは?
可能性はありますね。
請求金額を使用量で割った1kWhの単価が39.9円です!
2022年1月は753kWh使ってるので、39.9円 × 753kWh = 30,045円
今後このぐらいの単価で買い続けなければならないと考えると…ゾッとします😫
電気屋さんも赤字を垂れ流しているので、もっとゾッとしていると思いますが😅
内訳
項目 | 単価 [円] (前月比) | 使用量 [kWh] (前月比) | 金額 [円] (前月比) |
---|---|---|---|
基本料金(6kVA) | − | − | 1,711.14 (100%) |
電力量料金(昼間) | 25.26 (100%) | 222.4(※) (118%) | 5,617.86 (118%) |
電力量料金(夜間) | 17.72 (100%) | 291.8(※) (193%) | 5,171.07 (193%) |
燃料費調整額 | 9.72→11.92 (123%) | 509 (152%) | 6,067.28 (186%) |
再生可能エネルギー発電進捗賦課金 | 3.45 (100%) | 509 (152%) | 1,756.05 (152%) |
※電力量料金(昼間/夜間)の使用量は電力会社からの通知がないため、それぞれの金額からの計算で求めています。
合計使用量が微妙に合いませんね…
昼間:222.4kWh + 夜間:291.8kWh = 514.2kWh、明細上の合計使用量は509kWhで5.2kWhのズレがあります。
電気見える化
電気の使用量は屋外気温との関係性が密接です。
屋外気温と電気使用量の関係をみてみます。
2022年12月の電気使用量
やはり気温の低下とともに電気使用量は増加していますね。
12月21日が最大使用日(28kWh)となりますが、この日の平均気温は何と!3℃です。
6地域としてはなかなかに低い平均気温です。
2022年12月の電気料金
12月21日は28kWhも使っただけのことがあり、一日だけで1,000円オーバーです(1,030.9円)。
こんな日が1ヶ月続いたら…電気代は3万円を超えてしまいます。
我が家は断熱性能や一種換気(全熱交換)を備えているので、一日中快適に過ごしてもこのぐらいの電気代で済んでいると思います。大事ですね「断熱性能」(お家にとっての防寒着)
電気使用量のポイント比較
差の大きかった12月1日と21日を比較してみます。
夜間電力で食洗機やエコキュートを使用しているので、ピークが夜間にあります。
以前も検証したのですが、エコキュートとのわき上げは気温の影響をよく受けます。
<屋外温度と消費電力の関係について考察>
夜間の電気を使用するのは、エコキュート、暖房(クール暖)、食洗機です。
■エコキュート…ヒートポンプ式
- 気温が低いことでヒートポンプによるエネルギー消費効率(COP)が落ちる
(屋外の熱を回収しているため、気温が低いと温めるのが大変) - 「気温が低い=水温が低い」冷たい水を温めるのはエネルギーを消費する
- 気温が低く熱交換器に霜が付き除霜(霜取り)運転になる
■暖房(クール暖)…ヒートポンプ式
- 気温が低いことでヒートポンプによるエネルギー消費効率(COP)が落ちる
(屋外の熱を回収しているため、気温が低いと温めるのが大変) - 気温が低く熱交換器に霜が付き除霜(霜取り)運転になる
■食洗機
- 温水で洗浄するため給水される水温(水道)が低いと多くの電気を消費する
※12月1日食洗機を未使用のため、今回の差分要因ではありません
年間累計
エネパス予測と実績使用量の累計グラフです。
使用量はエネパス予測を下回り、年間累積としても予測を下回っています。
電気料金については燃料費高騰の影響で大幅にオーバーです。
なんとか20万円手前で踏ん張りましたが、来年は確実に20万円をオーバーするでしょう。
燃料費等調整額・再エネ賦課金の推移
嬉しくないですがきれいな右肩上がりですね。
10月はバク上がりしましたが、電力会社の切り替えで冷静さを保てる領域に戻ってきました。
それでも、上昇傾向は止まりません。どこまで行くのでしょうか?
まとめ
2022年12月は平均気温が一桁台(6.1℃)になり本格的な冬を迎えています。
屋内は全域で暖房(クール暖)を使用しましたが、晴れた日中は停止しないと暑いぐらいでした。
暖房を停止すると、日当たりの良いリビングと北側の寝室とでは温度差が発生しましたが、最大でも2.3℃で少しヒンヤリする程度です。
- 平均温度:21.8℃(冬季目標:22℃〜24℃)(夏季目標:25℃〜28℃)
- 平均相対湿度:59.2%(目標:40%〜60%)
- 平均絶対湿度:9.6g/kg(目標:7g/kg〜13g/kg)
12月の平均屋内温度は21.8℃と目標の22℃をわずかに下回りました。
これは日当たりの良いリビングを基準にして暖房日中OFFとした結果、家全体ではやや温度低下があったためと考えています。
それでも日中のリビングは室温が上昇し、赤ちゃんは汗ばんでいる感じでした。
日中はちょっと室温の低い子供部屋に移動すると眠ってくれる感じでした。
屋内の平均相対湿度は59%でとても快適で、のど風邪、鼻詰まりが起きやすい季節ですが、体調を崩すことなく元気に過ごせました。
- 予測電力使用量:515kWh
- 予測電気料金:15,000円
- 実際の電力使用量:509kWh(予測比99%)
- 実際の電気料金:20,323円(予測比135%)
※2022年9月から家族が増えました!在宅時間は大幅に増加!洗濯等の回数も増加しています。
※2022年11月から電気会社を見直しました!(Looopでんき → 九電みらいエナジー)
使用量はエネルギーパス協会の予測通りとなりました。
12月分の検針日は11月22日〜12月21日であり、全域暖房期間での電気料金になります。
無暖房の11月は335kWhでしたので、寒さ分の使用量の差が174kWhということになりますね。
節電・光熱費を抑えるポイントとしては下記です。
- エコキュートのわき上げ設定
✔夜間電力(23時〜7時)の間でわき上げる
✔わき上げモード:おまかせ
✔節電モード:レベル2 - 食洗機の使用時間
✔夜間電力(23時〜7時)に使用する
高気密高断熱の暮らしが少しでも伝わればと思っていますが如何だったでしょうか?
電気代の高騰が続いています。
少しでもエコ(高断熱)なお家に住んだ方が光熱費が抑えられると思います。
当然、断熱性能を高めるためには初期投資が掛かってしまいます。しかし、入れてしまえばメンテナンスフリーなのが断熱材です(正しく施工されれば)。また、お家の寿命を延ばすことにも繋がります。
何も残らない電気にお金を使い続けるか?初期投資は掛かるけど少ない電気で快適に過ごせる断熱にお金を使うか?
その判断に役立つ情報になっていれば幸いです。