お家づくりで「断熱性能」をどのくらいにすればいいのか?と悩まれている方が多いのではないでしょうか?
断熱性能を示す基準も複数あり代表的な基準は下記です。
・国土交通省の「断熱等級」
・一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会の「HEAT20」
断熱性能も頭打ちはあり、断熱等級であれば「7」、HEAT20であれば「G3」だと思います。
この記事では、高気密高断熱(HEAT20:G3、断熱等級:7等級)の暮らしをご紹介していきます。
家づくりの大切な要素の一つである断熱性能について、本記事を参考にしいただき後悔のない家づくりの参考にしていただければ幸いです。
<結論>
寒暖差の大きい季節に対して断熱性能はとても有効です。
屋内は快適で服装・お布団選びは不要です。(屋内平均温度は24.4℃)
高気密高断熱(C値0.13cm2/m2、UA値0.23w/m2k)の暮らし紹介
- 10月の屋外/屋内の温湿度状況
- 10月の光熱費(Looopでんき:スマートタイムプラン)
2022年10月の屋外状況
屋外の温度・湿度は屋外に設置した温湿度計(SwithBot)から得たデータを使用しています。
データの取得方法については、下記の記事をご覧ください。
2022年10月の屋外温度@群馬県
群馬県の2022年10月の屋外気温を確認してみます。
平均気温と最高気温/最低気温をグラフ化しました。
グラフ下部の数字は一日の温度差の値です。
- 平均気温:17.2℃
(9月の24.9℃から−7.7℃) - 最高気温:28.2℃
(9月の32.2℃から−4.0℃) - 最低気温:8.7℃
(9月の18.3℃から−8.6℃) - 氷点下日数:0日
(9月も0日です…夏なので) - 夏日(25℃以上):4日
(9月の27日から−23日) - 真夏日(30℃以上):0日
(9月の7日から−7日) - 猛暑日(35℃以上):0日
(9月も0日です)
2022年10月は28℃を超える日から最低気温は一桁台になる日まで寒暖差があります。
最高気温と最低気温の差は19.5℃もあります
体調に気をつけないといけない季節ですね。
住環境の記録:2022年10月1日〜10月31日
お家の基本スペック
- 面積:106m2(32坪)
- 階数:平屋(勾配天井、ロフトあり)
- 断熱性能(UA値):0.23w/m2k(HEAT20・G3、断熱等級7)
- 気密性能(C値):0.13cm2/m2
- 工法/構想:木造軸組工法
また、断熱性能、気密性能に関するおさらいはこちらの記事を参考にしてください。
温度比較
- リビング(南側一等地)
- ロフト(高所注意!)
- 寝室(北側角部屋)
- 脱衣室(西側)
- 子供部屋(東側)
- 床下(基礎断熱=屋内扱い)
各部屋の平均温度と屋外平均温度を折れ線グラフで表示しています。
また、日照時間を棒グラフで表示しています。
- 冷房(クール暖)は10月の前半のみ必要でした。その後は無冷暖房で過ごせています。
- 屋内平均温度は24.4℃(床下除く)
- 10月の中旬頃まで除湿機を間欠運転で使用しました。
- 1ヶ月を通しての平均温度の最大温度差は4.4℃(床下除く)
・MAX:26.5℃@ロフト
・MIN:22.1℃@寝室 - 10月7日の平均気温14℃は暖房をつけようかと思う寒さでした。
続けて一日の屋内温度差(床下は除く)を見ていきます。
日ごとの平均温度差をグラフ化します。
- 各計測点の平均温度の差は、最大で1.3℃
メイン居住スペースの「リビング(温度高い)」と北側角部屋の「寝室(温度低い)」の差 - 季節の変わり目のため、夏季領域と冬期領域を横断している。
- 目標温度域(夏季:25℃〜28℃、冬期:22℃〜24℃)に収まっている。
湿度比較
相対湿度[%]
馴染みのある相対湿度[%]で屋外と屋内を比較してみます。
屋内の湿度は各部屋(床下を除く5ヶ所)の平均値です。
10月になりましたが相対湿度は依然として高湿度が継続しているように見えます。
屋外の相対湿度は平均72.8%で高く見えます…
湿度に関しては後述する絶対湿度で見る必要がある季節です。
そんな屋外ですが、屋内はやや60%を上回っていますが、温度が下がっていることを考えるとちょうど良く感じます。これに関しても後述する絶対湿度の値で判断した方が良いでしょう。
屋内相対湿度は平均59.0%(床下除く)
絶対湿度[g/kg]
相対湿度でも蒸し暑さがわかりますが、絶対湿度でも比較してみましょう。
絶対湿度は計算で求めています。
絶対湿度で見ると10月前半は「丁度いい」季節であることが分かりますね。
年間通して数少ない窓開け換気ができる季節です。
その後10月後半では乾燥感がでて来ています。
屋外の絶対湿度は平均9.0g/kgです。
そんな屋外ですが、屋内は目標絶対湿度内をキープしています。
屋内絶対湿度は平均11.3g/kg(床下除く)
クール暖(&エコヌクール):水温設定
グラフ化して屋外と屋内の温度変化をみてみます。
断熱(HEAT20 G3・断熱等級7)にとっての切り替わりタイミングです。
10月の中旬までは日射の影響で屋内が暑くなりすぎて冷房を使用しています。
下旬は一変し屋外の平均気温が13℃台になり、日射取得がありがたい季節に切り替わりました。
こうなると断熱性能の力の見せ所です。
日中に日射取得で熱を蓄えて、一桁台の夜の気温に耐える。
下記は屋外平均温度とクール暖の水温設定のガイドラインです。
クール暖の夏の温度設定ガイドライン
- 屋外平均温度22℃以下:水温設定20〜25℃
- 屋外平均温度25℃以上:水温設定14〜15℃
- 屋外平均温度30℃以上:水温設定11℃(夜は冷えすぎてしまうので控えめ運転推奨)
※中間期の良くない日射取得シーズンはガイドラインよりも低い設定とする必要がある
(中間期の日射遮蔽は我が家の改善ポイント)
光熱費紹介
- 面積:106m2(32坪)
- 階数:平屋(勾配天井、ロフトあり)
- 断熱性能(UA値):0.23w/m2k
- 気密性能(C値):0.13cm2/m2
- 工法/構想:木造軸組工法
- 太陽光発電:なし
- 蓄電池:なし
- 冷暖房設備
協立エアテック:クール暖(輻射式冷暖房) - 換気設備
マーベックス:澄家(全熱交換型第一種換気) - 給湯設備
三菱:エコキュート(Sシリーズ460L) - 調理器具(IH)
三菱:ユーロスタイルIH(グリルなし) - 食洗機
BOSCH:60cmビルトイン食洗機(SMV46TX016) - 洗濯機
SHARP:ドラム式洗濯乾燥機(ES-W113) - 除湿機(梅雨、夏時期のみ使用)
三菱:衣類乾燥除湿機(MJ-M120PX)
エレクトロラックス:除湿機(UltimateHome 500)
2022年9月6日に第一子が誕生しました。
生活スタイルは9月から大きく変わりました。
- 居住者:夫婦+子供1
- お休み:
基本的には土日祝日休み→ 毎日在宅(出産+育児期間) - 屋内の服装
夏:半袖半ズボン
冬:長袖長ズボン(薄手) - 室温
夏:25℃〜28℃
冬:22℃〜24℃ - 湿度
相対湿度:40%〜60%
絶対湿度:7g/kg〜13g/kg - 食洗機:1日に1回が基本
- 洗濯:
2日に1回が基本→ 1日に1回が基本
夏:洗濯機の乾燥機能を使用
冬:部屋干し・・・節電+加湿 - お風呂:基本的にはシャワー
(快適な家になってからお風呂を欲しなくなった)
電力使用予測(エネルギーパス協会の事前予測)
消費量予測 | 光熱費予測 | 電力単価 (1kWhあたり) |
---|---|---|
344kWh | 10,000円 | 29.1円 |
電力使用量
2022年10月(2022/9/22〜2022/10/21)の使用量は…
(電力会社:Looopでんき…スマートタイムプラン)
使用量 (予測との比) 【先月比】 | 請求金額 (予測との比) 【先月比】 | 1kWhあたり (予測との比) 【先月比】 |
---|---|---|
410kWh (119%) 【72%】 | 20,283円 (203%) 【88%】 | 49.5円 (170%) 【122%】 |
請求金額を使用量で割った1kWhの単価が49.5円です!
昨年の単価は1kWhあたり31.1円でしたので、約6割の値上がりです。
とんでもない事になっております。
内訳
項目 | 単価 [円] (前月比) | 使用量 [kWh] (前月比) | 金額 [円] (前月比) |
---|---|---|---|
スマートタイム (3月〜6月) | 20.8 (100%) | 116 (−) | 2412.8 (−%) |
ピークタイム (7月〜9月、12月〜2月) | 40.8 (100%) | 38 (27%) | 1,550.4 (27%) |
リビングタイム | 30.8 (100%) | 148 (70%) | 4,558.4 (70%) |
ナイトタイム | 23.8 (100%) | 108 (50%) | 2,570.4 (50%) |
燃料費等調整額 | 6.5→18.97 (292%) | 410 (72%) | 7,777.7 (210%) |
再生可能エネルギー発電進捗賦課金 | 3.45 (100%) | 410 (72%) | 1,414.5 (72%) |
電気使用量も光熱費も予測を上回ってしまいました。
・予測使用量:344kWhに対して、実際:410kWhで+66kWh(119%)です。
・予測電気料金:10,000円に対して、実際:20,283円で+10,283円(203%)です。
予測電気料金には消費税・燃料費等調整額・再エネ・基本料金が含まれないので当然ですが、電気料金値上げの影響はとても大きいですね。
燃料費等調整額が3倍になってる!
予測では10,000円の電気代に対して、燃料費等調整額と再エネ賦課金だけで9,192円ですよ。
そりゃ予定に対して請求額が2倍にもなりますね…
先月も電気料金単価自体が値上がりしているので、10月なのに2万円を超える電気代になりました。
以前電気料金値上げ分を試算した際は、10月の電気代を23,535円と予測しました。おかしくない値でしたね。
年間累計
エネパス予測と実績使用量の累計グラフです。
使用量としてはエネパス予測を上回りましたが、年間累積としては予測を下回っています。
電気料金についてはLooopでんきの料金改定(値上げ)が直撃し、10月なのに2万円を超えました。
更に値上げとなる新プラン「スマートタイムONE」が待っていますが、我が家は電気会社を切り替え済みです。
燃料費等調整額・再エネ賦課金の推移
燃料費等調整額は毎月スゴイ勢いで上昇しています。
燃料費等調整額が18.97円/kWhまで上昇しているのは「自由料金プラン」だからです。
TEPCOの「従量電灯B」のような「規制料金プラン」では上限があり、2022年10月であれば5.13円/kWh(東京電力管内)となっています。
しかし、TEPCOも赤字が続いています…
「もう限界!」ということで、電気料金の見直し検討が2022年11月1日に発表されました。
具体的な内容はまだ分かりませんが、値上げの検討を行っていることは間違いありませんね。
我が家では電気料金の値上げに対する対策を検討中です。
下記は検討内容をまとめた記事になります。
まとめ
2022年10月は寒暖の差が激しい月になりました。
10月初旬は「夏日」で始まり、月末には平均気温が13℃前後になりました。
最低気温も一桁台に入り(最低気温:8.7℃)、暖房を使う季節になりつつあります。
我が家ではまだ暖房を使用せずに過ごすことができています。
- 平均温度:24.4℃(冬季目標:22℃〜24℃)(夏季目標:25℃〜28℃)
- 平均相対湿度:59.0%(目標:40%〜60%)
- 平均絶対湿度:11.3g/kg(目標:7g/kg〜13g/kg)
10月の後半は最低気温が一桁台まで下がりましたが、屋内は無暖房でも快適に過ごすことができました。
体調を崩しやすい季節ですが、風邪などひくことなく元気に過ごせました。
- 予測電力使用量:344kWh
- 予測電気料金:10,000円
- 実際の電力使用量:410kWh(予測比119%)
- 実際の電気料金:20,283円(予測比203%)
※9月から家族が増えました!在宅時間は大幅に増加!洗濯等の回数も増加しています。
※9月から電気料金が大幅値上げとなりました!
※10月から燃料費等調整額は大幅に値上がりしました!
使用量はエネルギーパス協会の予測に対して上回ってしまいました。
中間期のため庇による日射遮蔽が上手に出来ていいない影響が大きいです。
10月からはスマートタイム(日中の電気料金が安い)が適用になりますが、電気料金は2万円を超えてしまいました。
節電・光熱費を抑えるポイントとしては下記です。
- エコキュートのわき上げ設定
✔時刻を12時間ずらすことで日中にわき上げる(スマートタイムを活用する)
✔わき上げモード:おまかせ
✔節電モード:レベル2 - 食洗機の使用時間
✔スマートタイム(10:00〜16:00)に使用する - 洗濯機の使用時間
✔スマートタイム(10:00〜16:00)で洗濯(乾燥)する
高気密高断熱の暮らしが少しでも表現できていれば幸いです。
10月は寒暖差が大きい季節ですが、屋内の温度は安定していました。
季節の変わり目に体調を崩しやすいといいますが、我が家は風邪などひくことなく元気に過ごすことができました。
それにしても電気代の高騰が非常に厳しいですね。
少しでもエコな家に住んだ方が光熱費が抑えられると思います。
この考えは自動車と同じで、お家も「燃費」を気にして建てたり、買ったりした方が将来的に良いのではないでしょうか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございましたm(_ _)m